チョットひとこと 第29話

新しい年もタッタカタッタカ早いですね! もう2月! 皆さんは新しい年を如何お過ごしでしょうか!? この大事な暦―奈良時代にはっきり出来上がり、明治維新の折、占い等が整理され、旧暦から今私たちが使っている新暦となったのだそうですね。

元旦の香津代は、手を合わせ伊豆の水平線から昇る御来迎を心待ち、キャー!6時54分キラキラ素晴らしい色の強い光で、有り難いお顔がポッカリと現れ、見る見る上がるそのお姿に我を忘れ見入り、そして真ん丸のお姿に感動、祈りを深めました! 前日は除夜の鐘を百八つ数え、一年間の自分の不浄、怠慢、蟠りを吐き出したし、ご来迎に新たな精進を蓄えたし、“おとそ”も爽やかにいただけた幸せな一日でした! ウカウカしている内小寒(しょうかん・1月6日頃)、大寒(一番の寒さ1月20日頃)も過ぎ、2月4日の立春(りっしゅん、春と冬を分ける春のはじまりで、寒いけどわずかに暖かくなっていく兆しがヒタヒタと感じられる日)となるのです。暦で、そんな事を見ていると日本っていいなぁ!と。。。それにしても、その年の福や徳を司る年神様をお迎えする「正月」は本当に大切ですねぇ! 香津代にも家族があった小さい頃、暮れの内は祖父(おじい)も祖母(おばあ)も家中がドタバタと忙しく、慌しく片付けをし、12月28日は親戚や近所の若き衆が集まって餅つき。29日についたのでは“苦(九)をつく!”といって縁起が悪く、なんとしても28日についていたし、つきたての餅の暖ったかいフッカフッカの、その美味といったら―思い出しても幸せになり、忘れられない思い出! 早く早く食べたいと、大人と一緒にヨイショ!ヨイショ!と掛け声をかけて仕上がりを待ったものです。そして年神様は飾りを取り払う7日か15日には、もうお帰りになります。

7日すぎ私は、冷え込みの厳しい東京を発ち、大雪・吹雪の秋田に向かいました。雪の秋田は数年振りで香津代の細胞はバリバリと活性化し、あの長寿の尊敬してやまない日野原重昭先生の“生きているかぎり、自分で自分を育てていかなければなりません!”のお言葉を思い出しました!
“あい~~寒び寒び、ひゃっけェ~~(冷てえ)!”と一日に何度も云いながら暮らしたあの冬の日々…そう「湯たんぽ」が懐かしい。あのブリキ製の両面凸凹と波打っている湯たんぽ。おばあが、その口から熱いお湯を入れてる真剣な横顔がすんごく好き。“オラ(私)のために入れデケデイルンダァ~!”とアリガデグ(有り難く)眺めていた。湯たんぽはタオルで包み、それを古いヨレヨレの毛布でまたひと包みし、香津代が寝る前からおばあが布団に入れておいてくれる…寝相の悪い香津代が湯たんぽをあっちこっちと蹴っている内、包みがとれ、朝、火傷が見つかってから、タオルも毛布も取れない様に袋状に縫って口も紐でしっかり結ぶようにしてくれた。あの寒びィ夜の湯たんぽの温かみは忘れられない!朝、顔が冷たくてポッカと目をさますと、おじいが朝早くから焚いてくれている居間のストーブ(うちは薪をやめ、コークスというのを燃やすストーブだった)に衣類を抱えて走って行き、ストーブの温みにへばりつきながら着替え終わった頃、おばあが湯たんぽのお湯を洗面器(瞬間湯沸かし器など無かったし)に入れといてくれ“ハエグ!(早く!)顔洗ってしまえや!チャッチャド!まま食うや!(食べろよ!)”と―私が朝食を食べている間、おばあは髪の長かった香津代の毛を拭き、おさげに結ってくれて“遅刻サネエニ(しないように)ドットド学校さ行ってケェ”と香津代は外に出される。靴は内側に毛が付いたブーツでなかったし、ゴムの長靴だった。そして厚手のマフラーで、すっぽり頭を包み、毛糸の手袋をはめ吹雪だろうが傘などささず、雪道をザックザック、20分程歩き学校に着く頃には頭にも眉にも肩にも背中にも雪が積もっていて、靴箱のある入り口では「雪係」が箒(ほうき)を持って立っていて、目を瞑っている内にザッザ~と頭から下まで払ってくれた…寒さにも、吹雪にも不満は無くそんなものだと受け入れ、おじいとおばあの暮らしの工夫が人の生活だと添うていた幼い頃の日々…なつかしい!

今年は、そのおばあが生まれ育った刈和野(現・大仙市西仙北町)に2月9日文化講演で呼ばれたので~す!ラッキー! おばあの父親(オド)は“村田の源五郎オド”と云われた大工でした。刈和野は上(かみ)と下(しも)に分かれていて、毎年その綱引きが大きな行事でした。小さい頃から夏休み冬休みと刈和野に一時間汽車に乗って、遊びに行ってた香津代は“綱引き”は大きな楽しみ。その引き合っている綱の上に乗ると“丈夫になる!”と云われ、おばあの甥の人が香津代をよく乗せてくれた(勿論しっかり私を掴んでくれていた。だって離したら直ぐにはじき飛ばされるから)その綱引きが講演日の次の日の10日だって!ラッキー!綱引きを見たのは高校受験の勉強が始まるからと中学一年の時が最後だから、もう何十年ぶりかしら?! キャー! 久々に見れるゥ~! 綱引きには年々観光客が増え、たいへんな行事になっているとの事!

さて、今年のテーマは「勢い!」かな?! 「勢い」とは、、、そう、確かな行動をする力、で周囲の信頼を得、物事を動かす力、その使命感でしょうか…そう、香津代の今年は自分の内なる「勢」をつけるべく努力の日々としたいで~す!それにしても「健康は第一の富である」という言葉に大きく頷けます。そして、自分は何をしたいのか!何が出来るのか!と、今までは振り返るといっぱいの道が見えたけど、でも今、目の前には一本の道しかない。そう、その道を進むだけ!自分が選び自分に課せられた生きる道!―今回はなんだか筆がツラツラ進み、今までで一番の長い文章となってしまい“チョットひとこと”どころじゃなく“チョット多言”かしら? ごめんなさい。読むのにお疲れだったと思います。お疲れ様でした!

今年も変わらず、応援とご助言とご指導をジャンジャンお頼み申しま~す!

平成20年如月吉日 香津代