チョットひとこと 第52話

新しい年をまた迎えられた自分がなにより幸せ!

元旦の朝、宇宙の神様に合掌!「有り難うございま~す!また頂きました命の時間を懸命に生かしてまいります!どうか、お守り下さ~い!」と!

昨年は、香津代の生まれ育った故郷秋田に、どっぷりと浸かり、育ててくれた祖父母、育った私を確認できずに、あの世にいった父と母、小さい頃からの原風景をもう一度自分に刷り込んだ一年でした。なによりこの先、生きている内にはもう一度は出会えない「国民文化祭秋田」(文化の国体)に県内6カ所の市町村に参加出来た事、それも、役者をして来た基盤があったればこその参加だっただけに、その運の良さが有り難く、秋田を愛し秋田弁で見事に充実なる一生を生き抜いた両親、祖父母、先祖の上からの褒美だと思え、恩返しが少しだけ出来た様な気がします!

さて今年の大きな仕事が5月17日(日曜日)の秋田市の日本舞踊教室『清香會』の第5回の公演!稽古場を開設して7年目にして5周年というわけです。若い頃体験した事がある方は3人、あとは、會に入って初めて日本舞踊をはじめた方ばかり!熱心で明るく、この會員の懸命な稽古姿勢にひかれ、毎月秋田に稽古の為、東京との往復を億劫だと思った事が一度もなかった程。私にとっても六十過ぎてからの教授するという大変な、そして嬉しい試練でした!難しい日本舞踊の基本、そして応用の作品をよくぞ食いついて頑張って来たと自慢にしたい會員ばかり!そして「故郷に私を待っていてくれる人が居る!」その事が東京生活の中でどれだけ支えになっていたか……。

その5周年の會では皆々古典に挑戦します。教える私も未経験な演題に四苦八苦……講師の花柳志摩緒先生を毎月秋田に来て頂き、振り伝授をお願いし、私もその前に振り覚えをし、あいまいな所を確実にするといったお稽古です。

六歳から日舞を習ったとはいえ、役者一筋だった私が、何十年もの舞踊生活の志摩緒先生に学ぶ事は多く、ともかく懸命にお習いしている會主と會員です!

ある日古い友人が「香津代ちゃん!60歳過ぎて始めたことでの會の5周年もすごい事だけど、自分は“役者生活50周年”じゃないの?一緒に祝ったら?自分にも頑張って来た褒美とけじめみたいなものつけてシャキットしたら?」と!へぇ~そうか!50周年ねぇ!50年たったんだぁ!と!フト思ったら私の好きな数字が「5」そうだ!2015年5月で5周年と50周年!「5」並びだあ!と!それもあり、もうひとつの作品を追加、水上 勉先生の小作「おつねの鐘」の語り口を流しながら鶴澤津賀寿先生の義太夫三味線で踊りとしぐさで、という新趣向をと考えたのです。

7年前歌舞伎の演出をうけた坂東鼓登治先生に演出でご指導願い、わざわざ秋田までお出で下さる津賀寿先生は、今、東京の「女流義太夫」でピカイチの方で、私も30代前進座在団の頃少しお習いした先生なので~す!夢中で歩いてきた役者道と踊りを絡ませてみたい!そして恒例の朗読は秋田県で初めての女代議士を務めた「和崎ハル物語」!秋田市在住の文芸評論家・井上隆明先生が資料をくださり「秋田おなごのオモヘエ(おもしろい)力強さをやってみせろや!香津代ちゃん!」と!私の出身高校北高の前身「秋田高等女学校」出身という大先輩。いっぱいのご本人の写真等で顕彰しながら、秋田弁もまじえてガンガンパワフルに朗読します。脚本は長い間尊敬している和歌山在住の橋本和子先生が書いてくれま~す!そうですこの両作品ともに、私の役者が問われる作品です。私の踊りの挑戦も憧れの長唄「女伊達」!とても自分にはできる筈もないと思っていた超大作に挑むのですから、我ながら、そのズーズーしさに呆れる程!でも昨年古希70歳になったのですから足腰なんとか動くうちにという願いです!座組みはお客様が楽しんでくれる事が一番大事。観て頂く方の貴重なお時間と感性を頂きながら未熟な表現者の精いっぱいの生命の発露との出会い……一期一会にしたい!会場に同じ時間集い、同体験しての臨場感溢れる数時間が私の大願です!

どうかこのページを開けて下さった皆さん、また座組をHPで発表しますから、どこからでも秋田へ、秋田駅から車で15分の秋田市文化会館までお出かけになって下さいね!パンフレットにも広告を沢山頂き助けてもらえたら嬉しいです!

どうか、どうかよろしく応援してくださ~い!
新しい年の一日一日のなんと早い事!皆様もセッセと生きていらっしゃる事と思います。香津代のセッセも見に来てくださ~い!

平成27年睦月吉日 香津代