チョットひとこと 第16話

皆様、お元気でお過ごしでしょうかぁ?!
香津代は、今年こそじっくりと一日一日を味わいながら生きよう!と。元旦に想いながら、気が付いたらセッセと積もりに積もった部屋の荷物の片付け・掃除・ビデオテープや写真の整理・チラシや記事のファイル・お手紙やEメールの返事・・・等など。バタバタ、ハァーハァーやってましたぁ!おまけにその合間を縫って、歯や健康のチェックの検査、検査・・・何という日々なんでしょう。 ごめんなさい、今年の初号がこんな書き出しで・・・。でも時には上手に休んで、自分の一番好きな事をし、一番好きな物を食べ、気に掛かっている人と連絡を取ったり、会ったりする事って大事ですよねぇ。でもいつも幸せや安全を願いながら、やっぱり人との別れがあり、これはずんと身に応えます。親しい先輩からの手紙に有りました。「ずんと身に応える別れの哀惜・悲嘆に出会った時、人は磨かれる」と。そこんところを大事にしようと思います。そして、出会いもまたあるのですし・・・。「袖振りあうも多生の縁」です。何かに書いてました。「多生とは、何度も生をかえてこの世に生まれ出るということ。人は、この世限りの存在ではなく、遥かなる過去から永遠の未来へと連続する生命をもっているもの故、この一瞬には過去も未来も詰め込まれている。“この一瞬”に充実した生命を掛けていかなければならない」と。うーん!分かるような気がします。香津代にもそんな一瞬がちょっとあったような気がします。今日という日が過去になる、明日を迎えるのが不安半分楽しみ半分です。

そうそう「縁」と言えば、びっくりこんのお話があります。2月は、御殿場の大きな旧家で古谷一行さん扮する金田一耕助のシリーズもののロケがありました。財産相続の怨念・執念の恐~いドラマです。古谷一行さんとは、17年ぶりくらいで久々にお目にかかりました。古谷さんとのご縁とは! はい! 日大芸術学部演劇学科2年生の時です。俳優座養成所が閉鎖になるという最後の16期生の募集がありました。当時アカデミックな養成所カリキュラムが有り、卒業生の諸先輩にはきらめく星(スター)の有名な俳優さんがいっぱいいるので憧れておりました香津代は、思い切って受験しました。六本木にある俳優座・玄関脇の第一次試験合格者の中に、自分の番号と名前を見つけた時は高校や大学の合格の時より何倍も嬉しく、でも密かに受けたので声を上げ喜び合う友の同行も無く、ひたすら自分の名前をじーっと見つづけ両手を口元に押し当て、しばし嬉しさにボーっとしていました。と男の子が「受かったの? 何番?(香津代が答えると)あー浅利君?」と声を掛けられ「お茶でも飲もうか?」と六本木の大きな交差点の本屋さんの2軒隣、喫茶店「エリーゼ」の2階に行き、いろいろ若さにかまけておしゃべり。でも、残念ながら2次試験では落ちて(その通知は葉書でした)悲しい思い出となり、日記に収まってしまいました。そして時は流れ、18,9年も経った頃でしょうか。時代劇の撮影で京都へ行き、その化粧室で古谷一行さんにお目にかかった折り、有名な方ですので「おはようございま~す!」と挨拶しましたら、「浅利君! 僕の事覚えている?」と。「はぁ~?!」「俳優座養成所の第一次試験受かった時、お茶飲んだろう?!」と。「あ~~~!」 そうです。香津代は、古谷さんをテレビで一杯拝見していても、あの日“エリーゼ”でお茶を飲んだ男の子とは思いもしなかったので~す!香津代19才、古谷さん20才の時でした。 お顔を覚えていないのには我ながら呆れます。古谷さん、よく覚えていてくれたなぁとびっくり、感謝、感謝!嬉しい限りで~す! そして、その次にお会いした時は親子の役でした。なんと、香津代が古谷さんの母親なのです。連続物でしたので、最初は古谷さんの子供時代を子役でやり、若いお母さんでした。終わりの頃はその母も80代(特殊メイクをしましたが・・・)。そして今回の3度目で、古谷さんの金田一耕助さんに裁かれる役とは・・・。そのロケの空き時間に、古谷さんに聞きました。「あん時、どうして古谷さんとお茶したんでしょうねぇ?!」と。 その時、中央大学法学部の学生だった古谷さんの親友が江古田のだるま食堂の二階に下宿しており、チョクチョク遊びに行っていて、その隣の部屋に江古田にある日大芸術学部の学生・杉山義光さんが居て、ある時「俺、俳優座受けるんだ」と話したら、杉山さんが「俺の後輩の浅利ってぇのも受けるからヨロシクな!」と言ったので、この子かな?と声を掛けたんだとの事! エーッ?! 杉山さんは演劇学科のクラブ“劇小”の先輩! 何かと面倒見の良い先輩だったので~す!やっと分かった「縁」でした。 ちょっと一言が長くなりましたぁ。以上です。

さてさて、4月のひとり芝居に想いがいくと身が引き締まります。「どうしよう・・・どうしよう・・・」と、ただただ落ち着きません。どうなることやら・・・。やっぱりひたすら・・・ですね!! 皆々様ぁ~~!どうか、お出かけを~! 応援を~!おたの申しま~す!!!!!

平成17年弥生吉日 香津代